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「魔法を孵す」
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 その頃、ハリポタ系の魔法使い小説を攻めていて、魔女レイチェルシリーズというのを読んでいました。これは独創的な話で非常にビジュアル的な世界観があって、少女レイチェルが魔法をおぼえ、使っていく様が印象的でした。例えば魔法は彼女の中に内在して、眼の中に現れます。いままでの子供にない驚異的な魔法の目覚めをした運命の黒髪の少女、レイチェルは眼の色がクルクルと魔法の色に変わるため、玉虫色の輝きます。彼女に呼びかけ、主張する魔法を彼女が許すと彼女の眼がその色になります。飛行の魔法は澄んだ青、死の魔法は光のない黒、そして瞬間移動の魔法は銀色。

 レイチェルは描きたいと思わせる素晴らしいモチーフです。が、今回は黒い服、しかもベタ塗りがイメージにあったので黒髪のレイチェルはあきらめ、代わりに魔法のイメージをテーマにしてみました。タイトルの「魔法を孵す」はスバッと決まったタイトルです。魔法が生きているイメージと手のひらの中であたため、慈しんで孵すイメージを描いてみました。まわりの翔んでいるものは集まってくる魔法というイメージでしたが、絵柄的にはなんとなく羽根になり、レイヤーにも魔法の羽根とかいてました(某氏にも何も言ってないのに「羽根が・・・」とコメントされてびっくり)。

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  今回の絵は技術的に実験的な試みとして、えんぴつ下書きをスキャンして、Painterでデジタルペン入れしました。タブレットがいくら筆圧をデジタル入力に反映させると言っても、下書きやペン入れのアナログの微妙なラインの美しさを再現しづらいものです。そこでアナログペン入れしたものをスキャンして、色だけ塗ったり(ちぇるこ君はこれですな)、鉛筆のラフタッチを残したままスキャンし、グレー調におとして色を塗ったり(私は最近これでした。超らくちん)していましたが、モノクロは黒のしまりが命なのでペン入れしないわけにはいきません。しかしアナログペン入れは何年もしていないのでガクガクになりそう(終わる頃ノッてくる)、そして消しゴムで墨の濃度が落ちて、スキャンしたときそのグレー調をひろってしまうのが嫌だったので、思い切ってデジタルでやってみました。
 で、かなりいい感じに設定できたんですけど、ひとつは線の細さの精度が設定限界を超えていて、逆に絵を大きく(解像度を高く)取り込む必要がありました。もうひとつはデジタルで何回描き直せても、アナログで下手だったりうまくいかなかった点は、全く同じように苦しむということがありました・・・(苦笑)。

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